コロナ禍で移住は進むか

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コロナ禍で「地方暮らしに関心」が5割 
移住は進むのか

秋田県はオンライン相談を開始


コロナ禍で人々の意識にどれだけ変化があらわれているのだろうか。ひとつの焦点は「東京暮らし」である。

東洋経済オンラインに「止まらない東京一極集中に見る強烈リスク」(4月21日)「コロナ終息後に東京一極集中は変わるのか」(5月3日)という2つの記事を寄稿。東京一極集中が加速する現状と、日常生活、災害時のリスクを指摘し、一極集中の解消に向けた政策を課題として取り上げた。

その後、内閣官房が東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の男女約1万人(20~59歳)を対象に行った調査で、「地方暮らしに関心がある」との回答が49.8%だったとする結果が報道された(5月25日付読売新聞など)。この調査は中国・武漢でのコロナ騒動が話題になっていた1-2月に実施されたもので、日本では武漢市からのチャーター便での帰国問題やダイヤモンドプリンセス号での感染が大きく報じられていた時期である。そのため、調査回答者の意識の中に「身近なコロナ禍」がどれだけあったかは不明だ。

49.8%の内訳は「関心がある」15.6%、「やや関心がある」15.5%、「気にはなっている」18.7%で、積極派は一握りだ。調査後のコロナ禍の広がり、被害、影響の拡大で、移住への関心度がさらに高まったかどうか、追跡調査を期待したいところだ。

一方、コロナ禍の逆風を移住促進に結び付けようとする動きもみられる。人口減少が最速で進む秋田県だ。オンラインによる移住相談を受け付け、動画を通じて県内生活をイメージしてもらおうという取り組みを進めている。

都内にある県の無料職業紹介所「Aターンプラザ秋田」は、「あきた学生就活緊急サポートデスク」を設置し、4月1日からオンライン相談の受付を開始した。また、県は県内25市町村の観光地や伝統文化、暮らしぶりを紹介するPR 動画などをまとめたサイト「オンラインDE秋田暮らし」も開設して秋田暮らしをアピールしている。

Aターンプラザでの相談件数は4月上旬は1日あたり約2.9件だったのが、4月中旬から5月末にかけては1日あたり約5.1件と約1.8倍に増加した。佐竹敬久知事は「コロナを機に地方回帰の流れになる」と強調しているという。

コロナ禍を一大転機として、東京一極集中の解消、地方回帰の流れが生まれるかどうか。注視していきたい。





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