コロナ禍と五輪と選挙


  東京五輪開幕まで1カ月を切るなか、新規のコロナ感染者がリバウンドで増えている。

 そして首都東京では、トップが入院中という異例の状況下で都議会議員の選挙戦が繰り広

 げられている。

 閉塞感が漂う混迷の時代に、有権者はどんな民意を示すのだろうか。

 注目の争点は、コロナ対策と五輪開催だろう。

 東京新聞の都民1007人を対象とした意識調査(6月29日掲載)では、

 ① 五輪開催 

   中止 42.4% 無観客 25.3% 観客制限 23.8%

 ② 都の休業・時短、外出自粛要請

   ある程度評価する 34.0% あまり評価しない 28.9%

   全く評価しない  20.9% 大いに評価する  10.8%

 ③ 小池知事の評価

   ある程度評価する 40.7% あまり評価しない 22.3%

   全く評価しない  19.6% 大いに評価する  13.4%

 ④ 都議選の投票先政党

   自民党18.4% 共産党15.7% 都民ファーストの会13.9%

   立憲民主党13.6% 公明党6.5%など

 この調査は固定電話に架電したものなので、10-30代の回答は5.8%に

 とどまったが、なかなか興味深い結果である。


 政府、組織委員会らが主導する有観客開催への反発、不信、抵抗の意思が感じられる。

 この時期になっても中止が4割以上あることをみても、都民の五輪への不信感、不安感の

 強さが示されている。

 都議選の投票先で共産党が2位につけている点も見逃せない。自民はトップになったもの

 の共産党をわずか2.7ポイント上回ったのみである。自公路線、都政最大政党の都民フ

 ァーストに対する幻滅、失望、不満の表れなのだろう。


 投票日まであと5日。投票結果もさることながら、投票率が気になる。都民の良識が試さ

 れている。

 



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