GW 遭難

2021年のGW 山岳遭難が相次いでいる

槍ヶ岳、八ヶ岳赤岳、谷川岳etc。。。

この時季の高山は冬山と変わらない厳しさだ。

3人が亡くなった槍ヶ岳は猛烈な吹雪でホワイトアウトだったらしい。

犠牲者の方々のご冥福を祈りたい。

ネット上には

「コロナ禍の中、山に出掛けて遭難し、救助隊や医療機関に迷惑をかけて…」

といった批判的なコメントが渦巻いている。

コロナ禍でなくても、山岳遭難者に対しては「自己責任だ」と世間は厳しい。

もちろん、そうした非難にも一理はあるだろうが、世の中が日に日に不寛容に、

窮屈になってきているような気がしてならない。社会がささくれだっている。

政治や行政の統治能力の欠如に対する不平、不満が蔓延しているのだろうか。


 GWのころの八ヶ岳(この年は雪が少ない)


閑話休題。

山歩きにはリスクはつきものだ。30年以上、全国各地の山を歩いてきて、

遭難こそしなかったものの、不思議な現象には何度となく遭遇した。

2020年秋 北岳

早朝に広河原の登山口を出発。途中、分岐点を見落とし、傾斜のキツイ白根御池へのルート

を進んでしまった。

「まだまだ序の口」休憩スポットの木の枝にかけられた某大山岳部の連中が書いた短冊に

気力が失せてくる。それでもなんとか平坦な道まで登り切ったら、一筋の清水が。冷たくて

うまかった。生き返った。途中、ジコボウを発見し、夜の味噌汁用にいただく。

白根御池で大休憩して、草すべりをゆっくりと登る。いくら歩を進めても、尾根は遠い。

紅葉した木々の間からバットレスを眺め、気力を振り絞って進む。

小太郎尾根にたどり着いた瞬間、絶景が待ち構えていた。北岳、甲斐駒、八ヶ岳など名山が

一望できる。しばらく我を忘れて佇んでいた。

肩の小屋のテン場でテントを張る。テント組は3組ほどだ。水場は200mほど斜面を降り

た場所。水を汲んだ後の登り返しがきつかった。

夜は食事を済ませ、8時には睡眠に入るはずだった。ところが雨が降り始め、やがて風が強

まってきた。バタン、バタン、とトイレのドアが風にたたきつけられている。誰かがきちん

と閉めなかったのだろう。この音がうるさくてなかなか寝付けない。ウトウトして、すぐに

目覚める。この繰り返しで朝になってしまった。




外はまだ雨が降り続いている。昨夜よりは小ぶりだが、風も少しある。テントの中で朝食を

済ませる。テントを設営したまま、山頂まで登り、テントを撤収してきた道を引き返すか、

それともテントを撤収し、そのまま山頂を目指し、八本歯のコルから大樺沢二股に下りる

か。さんざん悩んだ挙句、次にいつ来れるか分からないかと、後者を選択。外に出てテント

を畳み始めるが、残りのテント組はすでに撤収した後だった。  (つづく)

※ 奇妙な出来事はこの直後から続きます。




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