不毛政治と総選挙

 メディアが連日、不毛な権力抗争でしかない永田町劇場の動静を垂れ流している。

自民党総裁選をめぐる駆け引きや、政権延命しか頭にない首相の動向、思惑を

どう伝えたところで、国民は苦々しく思い、虚しさを覚えるばかりだ。


メディアがいま主張すべきことは、臨時国会開催と実効性のあるコロナ対策を

毅然と求めることではないだろうか。


「コロナ対策を最優先」と公言しているにもかかわらず、レームダック首相は、コロナ対策

は失念したのか、自らの延命策に汲々とし、後釜をめぐる自民党内の醜い権力抗争が延々と

繰り広げられている。

そんなお粗末な永田町劇場を連日、面白おかしく伝えるだけのメディア。

国民不在の不毛政治である。

臨時国会も開かなければ、抜本的なコロナ対策も講じないのであれば、いっそ解散して

総選挙を早めてほしいと思う人も多いのではないか。

人事抗争で無駄に費やされるこの先1か月以上の時間は、まさに無駄である。

ネット上には自民党や菅政権に対する不満、批判の声が渦巻いている。政権与党に

下野を求める声も多い。

                       7月の都議会選挙


2009年の政権交代時に似た雰囲気ではある。

ただし、当時は民主党が地方選で連勝し、同党に対する国民の期待感が高まる一方だった。

そこが、今回は決定的に違う。野党第一党の支持率が10%に届かない状況だ。

過去の失敗に懲りた国民が多いのは事実だろう。

しかし、それ以上に大きいのは野党第一党が国民を納得させられるような政策提案がきちん

とできていないからではないだろうか。伝わってくるのは候補者調整みたいな選挙対策ばか

り。コロナ対策、少子化対策、財政・税金問題、経済政策など今後の日本をどう変革してい

くのか。そのビジョンが伝わってこないのだ。批判だけでは国の舵取りはできない。


国民=有権者にとって、今度の総選挙は頭の痛い選択を迫られる。とはいえ、ここで自らの

一票を投じなければ、政治は変わらない。前回の総選挙の投票率は53.8%で、史上2番目に

低かった。その結果が「安倍一強政治」をもたらしたことを忘れてはならない。

投票率を高めるためにも、野党が果たすべき責任は重大だ。有権者の投票意欲を高めるよう

な政策提案を一日も早く行うべきである。



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