オオカミ少年


7月12日に東京都にまたしても緊急事態宣言が発令されるという。

昨年4月の1回目から1年3か月で4回目である。順を追ってみてみよう。

1回目 2020年4月 7日から5月25日

2回目 2021年1月 8日から3月21日

3回目 2021年4月25日から5月11日

4回目 2021年7月12日から8月22日(予定)

1回目は初の宣言ということで、社会全体に緊張感があり、企業のテレワークも進んだ。

1日当たりの感染者数が2000人を超えた2回目も、それなりに危機感があった。

しかし、3回目からは「またか」「効果はあるのか」という疑念と不満が高まり、人出は

減らず、時短営業要請に応じない飲食店が続出した。路上飲酒も日常的な光景に。

そして、五輪開幕まで2週間を切る状況での4回目である。

緊急事態宣言下で、どうやって「安心・安全な五輪」を開催するというのだろうか。

前3回と違う決定的な対策を講じるとでもいうのだろうか。聞こえてくるのは酒類の原則提

供禁止ぐらいである。実効性のない宣言を発令したうえで、五輪貴族らを招待して強行開催

となれば、国民の心は一気に政権から離れるだろう。

もはや政府や東京都、組織委員会が何を言おうが、まるで説得力がない。

1年3か月、自粛要請と私権制限のなかで国民や業者は忍耐と我慢を強いられてきた。それ

に対する十分な見返りはあっただろうか。多くの国民は、わずか1回の特別給付金だけであ

る。

五輪開催の是非はいつしか観客数の議論にすり替えられ、ここへきて「無観客」で強行開催

に踏み切ろうとしている。

4回目の緊急事態宣言をしたところで、一体どれだけの国民が政府の〝要請〟に素直に応じ

るだろうか。危機感がマヒした中での五輪開催で、東京に「オオカミ」が来なければいいの

だが。

コメント

人気の投稿