まん延防止等重点措置の不可解

東京都の23区と6市にまん延防止等重点措置が適用された12日、

武蔵野市の繁華街と三鷹駅周辺を取材した。

メディアで話題になっている三鷹駅の「南北問題」と、吉祥寺の夜の状況を探るためだ。

吉祥寺駅前のハモニカ横丁では、昼頃から酒を提供する店が増えているようだ。

夕方5時に訪れた段階で、各店ともそこそこ客が入っていた。

店の関係者らの声をまとめると、

「飲食店の時短だけでどれだけ効果があるのか」

「営業が20時まで、酒類提供が19時までではサラリーマンの常連客は来られない」

といった政策への不信感と現状を嘆く声が多かった。

「まん防」が適用された武蔵野市の三鷹駅北口エリアは、どの店も20時で営業を終え、一

帯は人通りも少なくなり閑散とした雰囲気。「まん防」初日を知らずにラーメン店を訪れた

客が、店員に事情を説明され退散するシーンが何回も見られた。残業を終え、ようやく晩飯

にありつけると思ったら閉店! 気の毒である。


三鷹市の市域になる南口は21時までの営業のため、どの店も客が多い。牛丼屋は満席でテ

イクアウトの客も含め店内はいっぱいだ。

同じ駅なのに「南北格差」は歴然だった。


しかし、なぜ三鷹市は「まん防」が適用されなかったのか。

累計の感染者数だけでみれば、11日現在で三鷹市は1220人で、989人の武蔵野市よ

りも200人以上も多い。直近の新規感染者数の発生状況も似たようなものだ。人口比での

感染者数もほぼ同水準だ。

唯一大きく違うのは飲食店の数。吉祥寺を抱える武蔵野市は、「まん防」の対象となる店舗

数が三鷹市の3倍ほどある。

だからといって、感染状況を度外視して、三鷹市を外したのは理解しがたい。

不透明で不可解な「まん防」適用基準。

こんな納得のいかない政策でコロナ感染を抑制することができるのだろうか。


                 ハモニカ横丁




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